マレーシアの病院事情

金曜の夜から土曜にかけて、久しぶりにマレーシアの公立病院で過ごした。

と言っても私や家族が入院したのではなく
ある事情で公立病院の救急外来に付き添うことになったからだ。

 

マレーシアの医療費は、基本的に全て自己負担である。
日本の国民健康保険に相当するものはなく
街中のクリニックであれ、病院であれ
かかった費用は全て、自己負担となる。

自己負担で支払う医療費は決して安くはなく
自衛策としては、民間の入院保険に加入するか
公立病院にかかるかのどちらかになる。

 

 

日本の病院は、多少の程度の差はあれ
一般に設備が整っており、清潔感やスタッフの教育も
一定の基準を満たしていると思う。
他方、マレーシアの病院は、公立病院と私立病院では
サービスの内容に天と地ほどの差がある。

 

最新鋭の医療機器とホテルのような設備を整え、
コンシェルジュまで常勤し
至れり尽くせりのサービスを提供する私立病院があるかと思えば
提供されるのは医療であり、サービスはゼロの公立病院もある。

 

例えば出産。
私立病院で普通分娩、4人部屋の出産パッケージを申し込むと
2泊3日で平均3000~5000リンギット(10-15万円)。
スイートルームを選んだり、入院が長引けば料金は天井知らずになる。

他方、公立病院で出産すると
マレーシア国民であれば、2泊3日で300リンギットかからないだろう。
入院費用は1万円でお釣りが来るし
薬代は無料である。
国民健康保険が無いかわりに
公立病院に行けば安価で医療が受けられると言うわけだ。
(外国人は別料金)

 

ただし、公立病院はいつも患者で溢れており
待ち時間異常に長い上に
サービスはゼロ、施設も古く
清潔感も日本人の基準からは大きく外れていることが多い。
医療の内容は決して悪くないのだが
とにかく待ち時間が長く、マレーシア人でさえ
公立病院の待ち時間にはうんざりしている。

身も蓋も無い話だが
マレーシアでは、病院は医療を提供するところ。
サービスは「お金で買う」ものなのである。
快適なサービスが欲しければ
それなりの対価を支払ってください。ということだ。

何割かの自己負担で
自動的に一定の水準を満たす医療とサービスが受けられる
日本の健康保険制度は、世界でも稀にみる
至れりつくせりの制度ではないか。
マレーシアの病院に来るたびにそう思う。

マレーシアの公立病院で
「スタッフの対応が遅い。」などと言ったところで
「あなた治療受けたでしょ。それ以上何の文句があるの。」と
鼻で笑われるのがオチである。

 

 

金曜の夜、クアラルンプール病院の救急外来は相変わらず
大勢の患者がつめかけていた。
次々と訪れる患者と、飛び回るスタッフを横目で眺めながら
どの国でも医療の現場は大変だなと思った。

クアラルンプール病院のある地域は
決して治安が良い場所とは言えず
雑多な人々が訪れる。
当然お行儀の良い患者ばかりではなく
荒々しい態度の患者や家族
事故で運び込まれて泣き叫ぶ人
麻薬中毒と思しき、明らかに目つきが異常な人など
昔の私であれば怯えて、その場にはいられなかっただろうと思う。

今はもう、この病院はこういうものだと割り切っており
必要以上に怯えることも無く、淡々と待つのみであった。

淡々と待つにしても、一睡も出来ない完徹は
さすがに少々堪えたが。
待っている間に、時々マッサージと顔のストレッチをしたおかげか
完徹の割りには顔が浮腫まず、それだけはほっとした。

 

健康は何物にも変え難い財産である。
心身の健康を保つために
今日のBlogはここまでにして、就寝することにする。

 

マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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