ヒジャビスタが行く

マレーシアは5月6日からラマダンが始まる。
正確には、マレーシアだけでなく
世界中のムスリムが5月6日の夜明けから
一斉に断食をスタートする。

 

一日中食事をしないなんて
さぞかし疲れるだろうと思うだろうが
確かにカロリー不足で疲れやすく、昼間の生産性は落ちる。
だが、一方でムスリム社会では
ラマダンは1年で最も大きなビジネスチャンスなのだ。

 

ラマダンが始まると、人々の関心は一気に
ラマダン開けの大祭ハリラヤ
(アラビア語でイード・ル・フィトリ)に集中する。

その為、ハリラヤ用の服、インテリア用品、お菓子などを売る
一大チャンスなのである。

既に私の携帯には、何人ものマレー系の友人から
「ハリラヤのお菓子、オーダーする?」と
積極的なセールスのSMSが舞い込んでいる。

 

友人から届いたお菓子のセールス画像

 

 

 

どの国でも女性はファッションが大好きだが
ムスリム女性にとっては、服と同じくらい大事なのが
髪を覆うスカーフ。
マレー語では「Tudung(トゥドゥン:覆い)」と言うが
最近ではよりお洒落っぽく、「Hijab(ヒジャブ)」と呼ぶのが主流だ。

 

ムスリム女性のスカーフと言えば
アラブ世界やイランに見られるように
黒いスカーフですっぽりと頭を覆い
顔も隠して目だけを出すというイメージだろう。

だがマレーシアやインドネシアのスカーフは
南国の気候からか、とてもカラフルで
被り方も様々だし、皆普通に顔を出している。
たまに顔を隠し、目だけを出している女性も見かけるが
少数派である。

 

 

昔は正方形のスカーフを二つ折りにして、
忍者かてるてる坊主?のように被るのが主流だった。
だが数年前に美人女優が
自分の名前を付けたヒジャブブランドを立ち上げたあたりから
トレンドが一変した。

次々と発表されるファッショナブルなヒジャブは
たちまちマレー系女性のハートを鷲掴みにし
爆発的にヒット。
一気にヒジャブのお洒落のバリエーションが広がった。

私は一度、このファッションイベントで
この女優のヒジャブブースを見に行ったことがあるが
ブース付近から既に黒山の人だかりで
凄まじいまでのヒジャブの奪い合いが繰り広げられていた。
(あまりの凄まじさに、恐ろしくてとても近付けなかった)

 

 

ヒジャブのお洒落は年々ヒートアップし
色々なヒジャブの巻き方が工夫され
Youtubeで検索すると巻き方のTutorialがずらりとヒットする。
Tutorial動画を見ると、ピンやブローチを駆使して
捻ったり結んだり、それはそれは手が込んでいる。
私など見ただけで肩が凝ってしまうのだが。
人と違うヒジャブの巻き方を、熱心に研究する女性はとても多い。

どの国でも女性は美しくありたいものだが
ムスリム女性もそれは同じ。
彼女達は洋服のデザインが制限されている分
頭部を覆うスカーフは、洋服と同じくらい
大切なお洒落のポイントなのだ。

 

 

 

いかに美しく、斬新でファッショナブルにスカーフを巻くか。
ここがムスリムファッションの最大のキモ。
そんな、ヒジャブのお洒落に命を懸ける女性達を
最近では「Hijabista(ヒジャビスタ)」と呼ぶ。
「Hijab」+「Fashonista」の造語だが
ズバリ「Hijabista」という名前の雑誌が創刊されるなど
ヒジャブビジネスは一大マーケットなのだ。

 

 

 

 

来月から始まるラマダン月間
ショッピングコンプレックスやラマダンバザールでは
カラフルなヒジャブが山のように売られるに違いない。

晴れ着と、それにマッチするヒジャブを買い求め
美しく装う日を楽しみに
ああでもない、こうでもないとヒジャブの巻き方を研究する。
それもまた、マレーシアのムスリム女性のラマダンの一面なのである。

 

 

マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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