スコール

何日ぶりだろうか。
激しい雨が降っている。

 

毎年1月から3月ごろは、マレー半島は乾季である。
今年は特に暑いらしく、連日オーブンの中にいるような暑さだった。
マレーシアは赤道直下の割りに、熱中症(heat stroke)という言葉は聞いたことがなかったが
近年は異常気象なのか、Heat strokeと頻繁に聞くようになった。
雨が降らないと、本当に焦げ付くような気温と日差しの日々が続き
容赦なく体力を奪っていく。
お年寄りと子供は、特に注意が必要である。

 

何日も雨が降らず、埃っぽい日が続いていたが、
今日は午後からスコールがやってきた。

 

朝からカンカンに暑く、夕方頃から一天俄かに掻き雲り
やがてドカーン!という雷の音と共に、バケツをひっくり返したような雨が降る。
南国のスコールという奴だ。

スコールはとにかく雨の量が半端では無いので
傘など何の役にも立たないし、あまりにも強く叩きつけるような雨のため
恐らくレインブーツすら役立たずなのではないだろうか。
スコールの道を歩くには、残念ながらハイヒールなどもっての外。
あっという間に道が川になってしまうからだ。

 

マレーシアに来てから、数え切れないほどスコールを経験した。
実際のお天気だけでなく、私の人生にも、スコールのような出来事が何度となくあった。
激しい稲光を伴って。

雨宿りをする場所も無く、傘すらなく
ずぶ濡れになりながら立ち尽くすしかない。
そんな日々もあった。

 

けれど、実際のスコールも人生のスコールも、共通することがある。
止まない雨は無い、ということ。

そして、スコールの道をハイヒールで歩くことは出来ないが
人生のスコールに遭遇しても、ハイヒールで歩く事が出来る。
あまりに激しい雨に、心が折れそうになった時
炸裂する稲光の恐怖に立ち竦む時。
そんなことがあっても、また自分の軸に戻って歩き続ける。

私にはそれが出来るのだと
美しいハイヒールが教えてくれた。

 

 

マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana

 

 

 

 

コメント