奇妙で何が悪い

DVD版Bohemian Rhapsodyを手に入れた。

イスラム教が国教のマレーシアでは
フレディ・マーキュリーのゲイ描写が検閲の対象となり
かなりのシーンをカットされたものが上映された。
DVDを観ると、これもそれも、上映時には無かったシーンばかり。
私が映画館で観たあれは、一体何だったのだろう。

不思議なのは、映画館での上映にはとても厳しいが
DVD販売は何の規制も無く
ゲイ描写も含めた完全版が堂々と売られていること。
全くマレーシアは、不思議な事が多い。

それにしてもBohemian Rhapsodyの日本での大ヒットぶりは
マレーシアから見ても異常だった。
Queenを知らない、若い世代にもヒットしていたというから
裏を返せばそれは、突き抜けた生き方や
ひとつのことに、とことん情熱をかける生き方
そんなものに憧れている日本人が多いということだろう。

 

情報が溢れ、ITとネットの発達で、誰もが自由に表現が出来る現代。
仮想(ネット)の世界では、誰でもプロ並みの発信が出来る時代になった。
だがその反面、プロとアマチュアの境界線が、極めて曖昧になってしまった。
それはロックスターも同じだ。

以前にも書いたが、デヴッド・ボウイをはじめ
80年代の英国ロック狂の私から見ると
今のロックスターは全然つまらない。

昔のロックスター達に比べると、ネットの普及で露出度は格段に増したが
どれも薄っぺらくて、突き刺すような強烈な個性が無い。

 

昔話で恐縮だが、昔のロックスターには、「華」と「魔」があった。
素行や人間性に問題があるスターも多かったが
それぞれが全く別の惑星から来た者のように
決して混じりあわない個性を放っていた。
一言で言って、「変!」な人が多かったが、それこそがキモで
堂々とその変さを競っていた。

だいたい、私が愛するデヴィッド・ボウイだって
若い頃は眉毛のない虹色の爬虫類みたいで
気持ち悪い事この上ない。
けれど、その気持ち悪さが癖になるのだ。

 

その人の存在そのものが、強烈なメッセージを放つ。

そんな彼らのステージは、間違いなくロックの魔物がいて
圧倒的なエネルギーで聴衆を虜にしていた。
気持ち悪くて奇妙で、でも堪らなく惹き付けられる。
それが、私が愛するロックスター達だった。

そのロック魂は、間違いなく私の中に根付き
幾つになっても、決して衰えることはない。
世間体や常識に囚われるな。
奇妙で何が悪い。
人と違っていていいのだ、という事を教えてくれたのは
間違いなく彼らだった。

 

フレディ・マーキュリーに続き、
もう一人、気持ち悪く突き抜けたロックスターの映画が今年公開になる。

 

若き日のエルトン・ジョンを描いた映画「ROCKET MAN」
こちらも公開が待ち遠しい。

 

マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana

 

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