声の軸

「Nanaさんの声は、宝塚の男役のようですね。」

画面の向こうで、AMELKISのMakiさんが目を丸くして、そう仰った。
全く予想外のお言葉に、何と反応して良いか分からず
思いっきり動揺したのを覚えている。
去年の12月のExchangeの思い出だ。

 

 

ハイヒールレッスンにおいて
コーチの声は、重要な役割を果たす。
声こそが、クライアントを導く役割を担うからだ。

薄っぺらい声では、クライアントは動くことが出来ない。
いかに声でクライアントの身体に、深く指示を入れることが出来るか。
コーチの重要なスキルのひとつである。

 

私は、ずっと自分の声が嫌いだった。
大嫌いだった。
たまに自分の声を録音したものを聞くと
震えが走るほどに。

だがコンサルティングで「声の哲学」を学び、
いかに声が重要であるか気が付いた。
この辺りのことは、旧Blogの声のポテンシャルに綴っている。

 

 

ハイヒールレッスンでは、「花道」と呼ばれるパートがある。
コンサルティング受講当時、私は師匠に
「私の花道は、この方のイメージなのです。」と
ある方のお名前を挙げた。
理由は、その方の変幻自在な表現と深み、カリスマ性が憧れだから。

そうは言ったものの、コンサルティング受講当時の私の声は
ふわふわとして頼りなく、時折語尾がピンと跳ね上がり
幼稚としか言いようがなかった。

 

 

だが、クライアントを抱えてからは
声が嫌いだと言っている場合ではなくなった。

「舞台では、全てのエネルギーを増幅させ、眉間から一気に放つのです。」

何かで読んだ、その方のお言葉。
この言葉と、声の哲学で学んだことを頼りに
ひたすらクライアントのレッスンで、実地に励む日々であった。

どのように声を出せば、クライアントを動かせるか。
動きを導くトーンとリズムとは
決めの骨組みのタイミング
修正箇所をどう入れ込むか。

画面の向こう、クライアントの身体の反応が
私の声のリトマス試験紙だった。

 

 

これは私の体感だが、喉が開き、お腹から声が出る時は
声のトーンが低くなり、頭蓋骨に響く感覚がする。
その体感を保つようにしながら、眉間から放つイメージで話す。

このコツを得てから、クライアントから
「集中してるとNanaさんの声がスッと身体に入ってきます。」と言われるようになった。
ハイヒールコーチとしての、声のスイッチを見つけたのだ。
今ではレッスンを始めると、自動的にスイッチが入る。

 

コンサルティングで、大嫌いだった自分の声に向かい合い
自分の声のポテンシャルに気付き
クライアントとのレッスンで少しずつ築き上げてきた。

私の声は、クライアントに育てていただいた。

声は私の大切な武器。
全く声に自信が無かった私が、今ではこう言い切れる。
どんな場面でも、私はこの声で、堂々と話す自信がある。

 

 

身体の軸、マインドの軸と同じように、声にも軸がある。
あらゆる面でぶれない軸を持つことは
いかなる場面でも自信をもって生きてゆけるということだ。

 

そしてそれは、誰でも意識して身に付けることが可能なのだ。

 

最後に、Les Capricesの凜さんとのExchangeのひとこまです。
母趾球、膝、腹筋などの意識を声で導いてゆきます。

 

 

 

 

マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana

 

 

 

 

 

 

 

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