愛しのマレーネ

愛する彼女の名はマレーネ。

彼女とは、私のファーストルブタン。
黒の12センチクラシックタイプのハイヒールである。
今まで散々「変態靴」と呼んでいたが(!)
流石に申し訳ない気持ちになり、名前を付けた。
靴に名前を付けるとは、私も相当な変態さんだ。

 

名前の由来はもちろん
往年のハリウッド女優の、あの方である。

 

 

 

決して美人ではないが
(三島由紀夫曰く、「ドイツのおかめ」)
徹底した自己演出で、ハリウッドの伝説となったマレーネ・ディートリッヒ。
豪華な女優ドレスから燕尾服の男装まで
男性性と女性性を自由自在に演出した女優。
私の憧れの女性像の原点がディートリッヒだった。

私も彼女の燕尾服とシルクハットにシビれた輩の一人である。

 

 

 

 

「モロッコ」のディートリッヒの男装。
足元はマニッシュなエナメルの靴なのだが
あの男装に、ルブタンの黒のクラシックタイプのハイヒールだったら
息が詰まりそうに怪しく美しいに違いない。
あんな風に、粋でエレガントで格好良い女性になりたい。

そんな憧れを込めて、謹んで我がファーストルブタンを
「マレーネ」と呼ぶことにした。

 

 

しかし、頑固で有名だった実際のマレーネと同じく
私のマレーネも一筋縄ではいかず、それはそれは頑固である。
昨年の10月に迎えて以来、数ヶ月は全然受け付けてもらえず
清水買いをしたのに、このままお蔵入りか…!と青ざめた。

ようやく最近になって、ほんの少しずつだが
マレーネと波長が合うようになってきた気がする。
と、いい気になっていると
きっとまたガツーン!と厳しく拒否されるに違いない。

 

 

 

師匠とのプレタポルテレッスンはスカイプで録画されているので
レッスン後に自分の歩きをチェックできるのだが
ビデオを見ながら、顔がムンクの「叫び」になってしまいそうなほど
靴に自分が追いついていないのが、はっきりと分かる。

きっと、ルブタンの靴を履くには、今までの私ではだめなのだ。
美しいマレーネに合う自分にならなければ
彼女は決して私に微笑んではくれないだろう。

 

 

 

愛する美しい靴。
愛しのマレーネが微笑んでくれる日を夢見て
今日も一歩一歩を練習する。

 

 

マレーシア クアラルンプールより愛を込めて
Nana

 

 

 

 

 

 

 

 

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