彷徨う永遠の美:The Hunger

今日、とても嬉しいメッセージをいただいた。
メッセージを下さったのは 9neuveの貴子さん

貴子さんは映画がお好きだそうで
何とカトリーヌ・ドヌーヴとデヴィッド・ボウイが共演した映画
「The Hunger」についてのお問い合わせをいただき
思わず飛び上がるほど嬉しかった。

すぐに返信をと思ったが、あまりにも思い入れが強すぎて
貴子さんに<The Hunger愛>の
集中砲火を浴びせそうだったので
Blogで綴らせていただくことにした。

The Hungerをご存知の方がいらしたというだけで
嬉しさのあまり、既にトップギアに入っている状態であり
相当長く暑苦しいBlogになると思われる。

ネタバレもたっぷり、特に携帯で読まれる方は
読んでも読んでも終らないので、覚悟召されたい。

 

 

 

 

では、ここから80年代愛が迸る本題に入らせていただく。

 

The Hunger(1983)
主演:カトリーヌ・ドヌーヴ
共演:デヴィッド・ボウイ スーザン・サランドン
監督:トニー・スコット(リドリー・スコット監督の弟)

 

 

あらすじ
深夜のニューヨーク。クラブで若者を誘うミステリアスな男女。
女は何百年もの時を生きる吸血鬼、ミリアム
男はミリアムの愛人 ジョン

ミリアムは時代ごとに愛する人間を見つけては
彼らに不老不死と永遠の美を与え愛人にしていた。

だが、純血の吸血鬼であるミリアムとは違い
18世紀に拾ったジョンは、約束されたはずの永遠の美に
急速に翳りが見え始める。

なす術もなく老いさらばえて行くジョンの後釜として
不老不死の研究をする女医サラ(スーザン・サランドン)に目をつけたミリアムは
新たな愛人としてサラを誘惑する…。

 

 

カテゴリーとしては、「モダンホラー」なのだが
これほど前半と後半の落差がある映画も珍しい。

公開当時、私の周りで観た友人が全員
「これ、フィクションじゃないよね。実話ですよね?ドヌーヴ様。」
と呟いたほど、永遠に美しく生きる女吸血鬼役が
ピタリと嵌り過ぎのカトリーヌ・ドヌーヴ。

愛人役のボウイは、女吸血鬼のおめがねに敵った美貌が眩しい。
哀しい事に、あっという間に老化が進み、老人→ミイラ状態になってしまうので
「ああ、もうちょっと美しいジョンが見たかったのにトニー監督!!」
と女性の観客が全員(私も含め)、心の中で絶叫したという噂。

 

前半、1/3ほどは
カトリーヌ・ドヌーヴとボウイのあまりの美しさにため息しか出ない。

 

クラブで「餌」となる若者を見つけては誘惑し
ロングネックレスに仕込んだナイフで喉笛を掻き切っては
その血を啜るミリアムとジョン。
凶器を仕込んだネックレスが
古代エジプト文字の「アンク(生命)」を象っているのが心憎い。
ちなみにカトリーヌ・ドヌーヴの衣装のみ、イヴ・サンローランである。(さすが!)

Wikiには「伴侶」と書かれているが、どう観ても「餌」か「ペット」
が相応しいジョン。
そのくらい、カトリーヌ・ドヌーヴの貫禄ひとり勝ちなのである。
劇中にも使われるシューベルトの
Piano Trio in E Flat Major<Andante con moto>に合わせた
美しい動画を見つけたので、ご堪能いただきたい。

 

Trio in E-Flat – The Hunger Soundtrack – Franz Schubert

 

18世紀の2人の出会いがフラッシュバックするが
「きっとジョンは貧乏貴族の三男坊あたりで
顔だけが取り柄の穀潰しだったのを
ミリアム様に拾われたのね…!」
という妄想が迸るほど、ロココなコスプレが美しいドヌーヴ&ボウイである。

 

この動画には出てこないが、官能的なシャワーシーンで
ジョンがミリアムに「Forever?」と問うのが切ない。
この後、あまりにも残酷な「永遠」が待ち構えているのだが。
それを知っていて、答えないミリアム。

 

 

中途半端に吸血鬼になったジョンは
命こそ「不死」であるものの
若さと美しさは200年しか続かない。
ミイラのように無残に老いた彼は、ミリアムの手で棺に納められ
永遠に生きたまま葬られる運命。
いっそ殺してあげればいいのに!と思うが
過去の愛人達を生きたミイラ状態で
累々と積み上げているミリアムは
非情なのか情が深すぎるのか。
吸血鬼の愛は人間には分かりがたい。

 

 

 

私にとって、この映画はジョンが文字通り「お払い箱」になった時点で終る。
その後はミリアムがサラを誘惑し、まんまと新しい愛人にするが
はっきり言ってサラよりジョンのほうが美しかったので
この時点で観る気が萎えるのだ。
いくら天下のカトリーヌ・ドヌーヴ様とはいえ
ボウイとの美のマジックを観てしまった後のサラは厳しい。
非常に厳しい。

 

 

その後色々あって
ええっ!?ミリアム様ーーーー!!!
という終わり方をするのだが
カトリーヌ・ドヌーヴともあろうお方が
よくこの後半とラスト、よくこの演出でOKを出したと思うほど
後半の失速振りが激しい。
前半1/3が美しすぎただけに
もはやホラーというより、ギャグ?のレベルである。

なので、ホラーが苦手な方も
後半はホラーではなくお笑いのゾンビもの
と思えば乗り切れるであろう。

 

結論:The Hungerは前半1/3を徹底的に堪能すべし。

 

 

 

 

ここから先はおまけ。
80’s英国ロック狂の私のつぶやきである。

映画のオープニング、クラブでの「狩り」のシーンで演奏しているバンドは
英国ゴシックロックの元祖、Bauhaus。
このオープニング「Bela Rugoshi’s Dead」を観るだけで
英国ロック狂にとっては涙ものだ。

The Hunger Opening Credits

 

 

Bauhausはボウイの「Giggy Stardust」のカバーもレコーディングしている。
あまたのロックシンガーがカバーしているGiggy Stardustの中でも
個人的に一番好きなカバーバージョンだ。
ピーター・マーフィーのヴォーカル
ダニエル・アッシュのソリッドなギターと
デヴィッド・Jの太いベースの絡みが堪らない。

Bauhaus – Ziggy Stardust

 

 

マレーシア クアラルンプールより
溢れる80年代愛を込めて
Nana

 

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